アメコミ漫画喫茶「ACBD」

マーベルやDCコミックなどの名作・傑作マンガと、その映画の評判・評価・レビュー・口コミ(クチコミ)です。

ヒーローが次々と…アメコミ原作「ウォッチメン」

2009年3月15日、スポーツニッポン新聞

ヒーローが次々と殺されるヒーロー映画!2009年3月28日公開

アメリカンコミックが原作の米映画「ウォッチメン」が2009年3月28日に公開される。「スパイダーマン」や「バットマン」などと比べ、日本での知名度はほとんどない。しかしこの作品の映画化権をめぐって、米メジャー映画会社のワーナー・ブラザースと20世紀フォックスが泥沼寸前の法廷闘争。ハリウッドの両巨頭にそこまでさせた「ウォッチメン」とは?

ワーナーとフォックスが法廷闘争までした
JFK暗殺、ベトナム戦争…歴史の裏の陰謀描く

2009年1月11日、東京のJR山手線全駅に、巨大な黄色いスマイルマークが出現した。ニコリとほほえむ顔の上に一滴の血。「ウォッチメン」のタイトルと「知ってはならない、真実がある--」のコピー。映画のPR看板だった。耳慣れないタイトルだったため、配給・宣伝会社には「“ウォッチメン”って何ですか?」と問い合わせが相次いだという。

リアリティーで人気に

スパイダーマンやバットマンのようにヒーローのビジュアルが想像できないが、全世界のアメリカンコミック(アメコミ)ファンの間では、実は伝説的な作品だ。1986年に発売。1988年にはSF小説の権威ある賞「ヒューゴー賞」特別部門をコミックとして初受賞(現在までコミックの受賞はなし)。さらに2005年には、米タイム誌による「1923年以降の長編小説ベスト100」にも選ばれている。

日本で言うなら「カムイ外伝」

物語は、米ソ冷戦のまっただ中、ニクソン大統領が3選を果たしている世界。あるヒーローが暗殺されたことから巨大な陰謀が動きだす。「子ども向け忍者漫画が全盛の時代に“カムイ外伝”が出てきた感覚に似ていた」と語るのはアメコミに詳しいライターの杉山すぴ豊氏。「町を破壊したり、ヒーローなら何をやってもいいのか?そのアンチテーゼとして出てきたのが“ウォッチメン”。いわばヒーローの見張り番の話です」と解説する。「JFK暗殺、ウォーターゲート事件など、背景に実際の歴史がからみリアリティーがあるのが人気の理由。読み物としても面白く、賞をもらうのもうなずける。映画化にファンの期待は相当高まっている」という。

米公開3日間シェア50%

全米では2009年3月6日に3611館で公開。公開3日間のシェアは50%で、2人に1人が「ウォッチメン」を見たという驚くべき現象が生まれた。洋画関係者によると「50%を占めたという話はほとんど聞いたことがない」という。好調なスタートを切った「ウォッチメン」だが、実はお蔵入りの危機に見舞われていた。最初に映画化権を獲得したフォックスが製作したワーナーを「権利の侵害」と提訴し、公開差し止めの可能性があったのだ。

フォックスが権利を売却した際、付帯条件により一部権利がフォックスに残った。しかし、そうした詳しい事情を知らずに、映画化権はワーナー→ユニバーサル→パラマウント→ワーナーと転々。最終的にはワーナーがフォックスに4000万ドル(約39億円)以上を支払うことで落ち着いた。杉山すぴ豊氏によると「ファンは裁判の行方をネットの掲示板などで議論していた。横やりを入れたフォックスの作品を見るのをボイコットしよう、と呼びかける者まで出た」という。

ワーナーはなぜ、巨額の金銭を拠出してまで「ウォッチメン」を手元に置きたかったのか。まずは「ウォッチメン」が極めて異色のアメコミ映画であること。通常の作品はスーパーヒーローを主人公に、派手なアクションで観客を引き付けるが、「ウォッチメン」は複数のヒーローが存在し、しかも彼らが次々と暗殺されるというダークな内容。勧善懲悪ではなく、エンディングも含め作品全体の是非を観客に問う構成になっている。

さらに2008年「アイアンマン」「ダークナイト」とアメコミものが全世界で大ヒット。特に「ダークナイト」は全米歴代興行収入2位にランクイン。洋画関係者は「不況はハリウッドものみ込んでいる。利益を見込める作品は賠償金を払っても確保したかったのでしょう」と話す。

桜舞う季節には、少々暗い作品ではある。歴史的事件を絡めているだけに「もしかしたら…」と思わせる部分もある。あなたも「知ってはならない真実」を目撃してみませんか?

ウォッチメン

原作は英国出身のアラン・ムーア氏(55)。JFK暗殺、ベトナム戦争、キューバ危機など歴史的事件の裏側には「ウォッチメン」と呼ばれる闇のヒーローたちの存在があったという設定。米ソ冷戦下、ニクソン大統領が3選を果たす中、ニューヨークの高層マンションから男が突き落とされた。胸にスマイルバッジを着けたその男は、かつて暗躍したウォッチメンの1人だった。男の死の裏には、人類を揺るがす陰謀があった--。監督は大ヒットした「300」のザック・スナイダー氏(43)。

裁判の経過
2008年2月

フォックスが映画化権について「ワーナーが権利を侵害した」と表明

2008年8月18日

カリフォルニア連邦裁判所がフォックスの訴えを受理。ワーナーが製作を中止するか、フォックスに金銭を支払うかのどちらかを求めるのが妥当との見解を示す

2008年12月24日

判事が「配給権はフォックスにある」と見解表明。2009年3月6日の全米公開が迫っていたこともあり、フォックスとワーナーの弁護士が和解決定

2009年1月16日

和解が成立し両社が共同声明を発表

ヒューゴー賞

米SF界の功労者ヒューゴー・ガーンズバック氏にちなんで1953年に創設。現存する最も古いSF小説の賞。映画化された過去の受賞作は「デューン/砂の惑星」「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」など



アメコミ映画 大作ぞろい 2008年9月にかけ公開

2008年8月22日、中国新聞

アメコミ映画 大作ぞろい

2008年9月にかけ公開

「スーパーマン」「スパイダーマン」など、アメリカンコミックを実写化した作品は、ハリウッド映画の王道を歩んできた。2008年9月にかけて公開される3作品も大作ぞろい。それらの魅力を紹介する。

3作品は公開中の「インクレディブル・ハルク」と「ダークナイト」、2008年9月27日から公開予定の「アイアンマン」。ヒーローに”変身”する前の主人公の設定は、「ダークナイト」のクリスチャン・ベールと「アイアンマン」のロバート・ダウニーJr.が、いわゆるセレブで、「ハルク」のエドワード・ノートンが科学者だ。

主演俳優は30代から40代の大人の男たち。いずれも堂々と主役を張っているが、企業経営者にして発明家であるプレーボーイに扮(ふん)したダウニーが魅力的だ。決して万能ではなく欠点も多いヒーロー像に人間味がある。

インクレディブル・ハルク ヒロインの役柄ばっちり

ヒーローにはつきもののヒロインでは、「ハルク」のリブ・タイラーが一押し。父親ら周囲の声には耳を傾けず、かつての恋人である主人公をいちずに信じ抜く役柄が、物語の悲劇的な部分に重要な役割を果たしている。

「アイアンマン」のヒロインは主人公の秘書を演じたグウィネス・パルトローだが、女性記者役のレスリー・ビブも魅力的だ。

そしてヒーローが戦う敵。作品の成否のかぎを握る存在だ。「ハルク」の特殊部隊兵士として、ハルクを倒す執念が狂気に転化してしまう人物を演じたティム・ロスも素晴らしいが、「ダークナイト」のヒース・レジャーには及ばないだろう。

ダークナイト 悪役史に残るジョーカー

レジャーが扮したのは、悪の権化ジョーカー。ティム・バートン監督の「バットマン」で、ジャック・ニコルソンの怪演ぶりが語り草になった役だ。ニコルソンが恐怖の中にコミカルな一面ものぞかせたのとは違い、レジャーのジョーカーは、人間が内に持つ暗黒の部分を凝縮させたような人物。レジャーはこの作品出演後に急死したが、このジョーカーは悪役史に長く残るだろう。

アイアンマン 欠点の多い英雄に人間味

「ハルク」と「アイアンマン」は、物語のベースに、戦争と兵器の開発を続ける米国のありようが盛り込まれている。「ダークナイト」の舞台は犯罪が多発する都市で、マフィアのマネーロンダリング(資金洗浄)を題材にした。現代的な味付けが、大人の鑑賞に堪える作品へと押し上げている。

ヒーローの格好良さは好みによるところが大きいかも。スケールが大きいアクションシーンなど見どころも多い。注意すべきは、エンドロールが始まっても席を立たないこと。見比べた人にだけ分かるプレゼントのような映像が待っている。



アメコミヒーロー同一番組で大活躍 『ジャスティスリーグ』

2002年11月14日、産経新聞

スーパーマンもバットマンも集結!!

スーパーマンとバットマンが同じ画面で大活躍!! アニメ専門チャンネル「カートゥーンネットワーク」で放送中の『ジャスティスリーグ』(正義の同盟)では、7人のアメリカンヒーロー・ヒロインが世界平和のためにともに戦っている。それぞれの作品では主役のヒーローたちが、なぜ1つのアニメ番組に集結できたのか。

「アメリカのコミックスの場合、著作権が1人の作家ではなく、出版社にあるんです。スーパーマンもバットマンも、DCコミックスという出版社に帰属しています」とアニメ専門チャンネル「カートゥーンネットワーク」の広報担当者。

アメリカのコミックスは、ライター(脚本家に相当)、ペンシラー(画を起こす人)、インカー(インクで描く人)、レタラー(原稿に文字を入れる人)、カラーリスト(彩色する人)の分業で制作される。

制作スタッフの顔ぶれも各巻によって異なるので、だれが担当してもそれと分かるように、キャラクターは大胆な特徴を持ち、奇抜な色の組み合わせで描かれる。

例えば、スーパーマンならマントを着用し、青・赤・黄の配色-と、イメージをつかみやすいキャラクター像が設定されている。そうした日本とは異なる事情があるので、アメコミでは絶対的な信頼を得たスーパーヒーローが活躍する。

7人のヒーロー・ヒロインはいずれもDCコミックスが生み出したキャラクターで、「ジャスティスリーグ」はすでに1960年にコミックスに登場していた。そのため、アニメでの「夢の共演」が実現したという。

7人が結集すれば“最強”の正義の同盟。豪快なアクションシーンが最大の見どころだが、生まれや育ち、実力など設定の異なる7人の相関や感情の動きも注目だ。

『ジャスティスリーグ』の放送日は、毎週金・土・日曜。あす2002年11月15日は拡大スペシャルとして、午後6-7時半と、11時半-深夜1時に放送する。



「スパイダーマン」原作者、スタン・リー氏来日 アメコミ・マンガの融合を

2000年9月4日、読売新聞

リアルな絵と物語性 それぞれ影響

アメリカン・コミック界の大物原作者で、最近はインターネットを通じたデジタルアニメ配信に乗り出したスタン・リー氏(77)が、日本企業との合弁会社設立のため来日した。リー氏に、日米のマンガ・アニメ文化について聞いた。

コミック原作者、またはプロデューサーとしてスタン・リーの名は、アメリカではカリスマ的だ。アメリカン・コミックには「DC」と「マーベル」という2大ブランドがあるが、『スーパーマン』や『バットマン』を擁するDCに対し、リー氏は1960~1970年代にマーベルで『スパイダーマン』や『超人ハルク』などの新しいヒーローを次々に生み出し、天才クリエーターと呼ばれた。

中でも、1963年から始まった『X-メン』は、現在の発行部数が年間1300万部と、コミック史上最大の人気シリーズと言われる。最近映画化もされ、日本では2000年10月に公開される。

1978年の来日時に石ノ森章太郎氏と対談したリー氏は、日米のマンガ表現について「アメリカがリアリティーを重視するのに対し、日本のは極端に戯画化されており、よりファンタスティックだ」と分析した。が、22年後の今、両者が「歩み寄ってきた」点を強調する。

「アメリカのコミックは、よりファンタスティックになり、日本のMANGAは、よりリアルになった」

1980年代以後、日本のマンガ家の多くがアメコミに影響を受けたが、「アメリカのコミック・アーティストやアニメーターにも、『マンガ・スタイル』に影響を受けている者が多い」と指摘する。

「口が小さく、目や頭が大きいマンガ・スタイルは、アメリカに比べリアルではないが、キャラクター像やストーリーは非常に重層的で複雑。だから、幅広い年齢層にアピールする」。「日本のアニメはすべて好き。大友克洋の『AKIRA』に感銘を受けた」というリー氏はこう分析する。

「私は、スーパーヒーローも完璧(かんぺき)な人間ではないこと、内面に様々な悩みを抱えていることを描いてきた。そうした方が、読者が感情移入できるからだ。その点、私のキャラクターや物語作りは、マンガに似たところがあると思う」

日本では、過去何度もアメコミの翻訳紹介がなされたが、定着しなかった。マーベルも1度日本支社を作ったものの、数年で撤退している。作家がお互い影響し合うほどには、読者の相互交流は進んでいないようだ。「確かに、翻訳によってセリフのニュアンスが失われるなどの、文化的な難しさはある」と認める。

しかし変化の兆しも見える。日本版『X-メン』は、小学館プロダクションが1994年から刊行、アメコミは売れないという定説を覆し、既刊約40冊で累計80万部に達した。これなど、「リッチな日本のマンガ文化と、アメリカン・コミック文化を融合させ、世界にアピールする作品を発信したい」ともくろむリー氏には、明るい材料だろう。

リー氏は1999年に新会社スタンリーメディア(米カリフォルニア)を設立、インターネットを通じてオリジナルアニメやゲームを製作・発信しているが、このほど日本のベンチャーソフト社と組み、アジア市場に乗り出す意思を明らかにした。

◆日米が楽しむ作品出したい

アメリカでは、ポケモンブームの前に、『美少女戦士セーラームーン』が10代の間でヒットしている。コミック市場での日本マンガのシェアは、ここ2年で1%から5%に急拡大したという。日米のマンガ・アニメ的感性が接近しつつあることは確かなようだが、今も「新しいキャラクター作りに時間のほとんどを費やしている」というリー氏は、真に国境を超えた「グローバル・スタンダード」の鉱脈を掘り当てられるか。

「日本人、アメリカ人双方にとって魅力的なヒーローの創造は、別に新しいことじゃない。これまで我々がやってきたことを、少し拡大するだけだ」。巨匠は最後まで自信満々だった。



【映画】人気アメコミを実写化

2005年9月17日、産経新聞

ファンタスティック・フォー 超能力ユニット

人気のアメリカン・コミックの映画化。これまでもアニメ化などが試みられたが、最新CG、VFX技術だからこそ表現可能となった臨場感あふれる実写映像は見ものである。

科学者で宇宙飛行士のリード(ヨアン・グリフィズ)は、宇宙嵐の研究のため、同僚の女性学者スー(ジェシカ・アルバ)ら5人で宇宙船に乗り、宇宙ステーションへと飛び立つ。が、宇宙船は宇宙嵐と衝突。5人は命こそ助かったものの、体の異変に気付く。宇宙放射線を大量に浴びたため突然変異が起こり、超能力が宿ったのだ。リードは手や足が自在に伸び、どんな形にも体形を変化させる能力を、スーは透明人間になる能力を…。リードら4人はこの能力を人命救助などに生かし、人々は彼らを「スーパー・フォー」と呼ぶように。だが、4人の前に強敵が現れる…。監督は新鋭ティム・ストーリー。「X-MEN」ばりの“ユニット・ヒーローもの”の誕生である。三番街シネマ他で公開中。

ビー・クール ジョン・トラボルタとユマ・サーマンの共演といえば、名作「パルプ・フィクション」を思い起こす映画ファンが多いだろう。スピード感あふれる群像劇は「パルプ…」を彷彿とさせるクライム・ムービーの仕上げ。が、今作はさらに大胆にギャングものの枠を踏み越える。米音楽業界の闇をシニカルに描きあげる。コメディーのテイストを前面に押し出しながらも絶妙にリアルさを漂わせ緊張感に満ちている。

元ギャングのチリ(トラボルタ)はショウビズ界に進出。レコード会社の女性社長(ユマ)と組んで、歌手の卵、リンダ(クリスティナ・ミリアン)のプロデュースを買って出るが…。OS阪急会館他で公開中。