バットマンは悪人を殺していた?

2014-03-30

こんにちは。店主です。今日は風が強いですね。

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みなさんはバットマンに人を殺すイメージを持っていますか?映画やコミックスを思い返しても、バットマンて人殺ししてないですよね。バットマンについては、「悪人を殺さない。銃を使わない」という不文律があると、一般には思われています。

私が「なぜバットマンは人を殺さないんだろう?」と疑問を抱いたのは『バットマン;キリングジョーク』を読んだ時でした。『キリングジョーク』では、ジョーカーの誕生譚とその狂気が引き起こす凶行が描かれるわけですが、読後に「バットマンはなんでジョーカーを殺さないんだろう?アメリカン・コミックスなら死んだキャラクターを蘇らせるのなんてわけないのに」と思ったことがきっかけでした。

そこで、「バットマン 殺さない 理由」でネットを検索してみると、意外な事実が分かりました。スタスクのブログ」というブログにこう書いてあったのです。

「日本のファンの間では『バットマンは人は殺さない』という考え方が広まっているらしい。現に、某動画サイトなどではそういうコメントや議論がみられます。私はバットマンが大好きですが、『バットマンは人は殺さない』なんて思ったことは一度もありません。それどころか、むしろ普通に殺してるでしょう?とさえ思います。」

ええ?そーなの?っていうのが最初の感想でした。

アメリカン・コミックスのことは英語でも調べたほうがよかろうと考え、すぐに「why Bat man does not kill」で検索すると。

「バットマンは昔は悪人殺してたし銃も使ってたよっていう人は、当時の事情をよく理解していないんじゃないのかねえ。実は、昔バットマンが人を殺していたのにはちゃんと理由があるんですよ。」

ということが書いてあるサイト
にヒットしました。うーん。つまり、バットマンが悪人を殺していたというのは本当で、どの時点からか、上記の「悪人を殺さず、銃も使わない」ようになったのか。

このページを読むと、バットマンが人を殺していたどうやら大きく分けてふたつの理由があることが分かりました。一つ目は、コミックス倫理規定の不存在。もう一つはバットマンの誕生時のキャラクター付けです。

ご存じの方も多いかもしれませんが、アメリカには1954年から2010年頃まで「コミックス倫理規定」というものが存在していました。これは、全米コミックスマガジン協会によって制定されたもので、ウィキペディアによると、コミックス倫理規定は「『犯罪者の活動の結果による法執行官の死の表現』を抑止してい」ました。平たく言えば、「コミックスの中で人を殺すな」という決まりがあったってことですね。

バットマンの初出は、1939年5月の「Detective Comics #27」でした。つまり、業界内で「悪人は殺しても良い」ということになっていたわけです。では、バットマンはコミックス倫理規定が制定されるまでは、風の向くまま気の向くまま悪人を殺していたんでしょうか?

バットマンが生まれた1939年は、スーパーマンが好評を博し、業界はヒーローコミックスは儲かる商売だと気づきました。スーパーヒーローモノというジャンルはこの時に誕生し、ライターやアーティスト達は、キャラクターを生み出すと同時にキャラクターを育てることになります。エピソードを作る傍らで、所謂「設定」が同時進行で形作られていたんですね。

つまり、バットマンが「銃を武器として使わず、人を殺さない」という設定はバットマンが誕生した時には存在していなかったのです。設定がないなら、悪人を殺していたのにも頷けます。バットマンが自らに課したこの律に最も近いセリフがコミックスに登場するのは、1940年の「Batman #4」のこと。バットマンはロビンに「私たちはどんな武器でも(悪人を)殺さない」(”We never kill wth weapons of any kind.”)と話しています。

バットマンは、誕生から1年間は、銃を使い、悪人も殺していたんですね。ただ、それ以降は設定が固まっていったのと、コミックス倫理規定の存在もあり、悪人も殺さなくなったと。バットマンは登場当時は、今と随分状況が違っていたんですね。調べてみるもんです。

さて。今日のお話は、「なんでバットマンは悪人を殺さないのか?」という疑問から始まり、「いやいや、実は悪人を殺していたこともありますよ」を経由して「バットマンが悪人を殺していた理由」に行き着きました。

肝心の「バットマンが悪人を殺さない理由」はどこに行ったのかって?それは次のエントリーで紹介しますね。


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