犯罪発生件数が3分の1に減少
タイムズスクエアは、多くの地下鉄の路線が交差する場所でもある。地下鉄のホームはきれいとは言い難いが、車両に落書きが減った。
データもこれを裏付けていた。ニューヨーク市警察の統計によれば、ニューヨーク市全体(人口約800万人)の犯罪発生件数は、1993年の43万件から、2004年には14万件に。おおよそ3分の1になった。
東京に比べると殺人が多い
単純な比較は困難だが、警視庁による東京都(人口約1200万人)の刑法犯認知件数は、約28万件だった。それと比較すると、人口1人当たりの犯罪発生率は、まだまだ高い。殺人といった凶悪犯の割合も高い。
タイムズスクエアをパトロール範囲に含むミッドタウンサウス分署に限ってみても、犯罪の減少傾向は同様に顕著だった。1993年には15000件以上の犯罪があったが、2004年には4700件と、3分の1以下になった。
ジュリアーノ市長の成果
これは、前市長ジュリアーノ氏が、「破れ窓理論」を応用して、軽犯罪の取締りを強化したことなどの成果によるものといわれている。
こうして治安が改善した現在のタイムズスクエアは、NPO(民間非営利団体)である「タイムズスクエア・アライアンス」が、再生のマネジメントを行っていた。エリアのイメージを決定・向上させるキーとなるような会社を集積させているのが特徴だった。
ディズニーがミュージカル
従来、中心であった劇場については、建物を保存しつつ、ディズニーがミュージカルを行っていた。トイザラスが、中に観覧車がある大型店舗を展開していた。大手投資銀行・大手会計事務所などのオフィスや、放送・通信などのメディア企業も集積していた。